MIB(メン・イン・ブラック)をご存じでしょうか。UFOや宇宙人の目撃者や研究者の前に現れる、黒ずくめの謎の男たちです。
私も何度か、彼らに遭遇したことがあります。最初の遭遇は高校生のときでした。私の実家に遊びに来ていたUFO関係の友人を最寄りの駅まで送り、ホームのベンチに二人で座って、いなり寿司をつまみながら話をしていたときのことです。「UFOの研究団体はもっと勢力を広げたいね。仲間を集めたいね」などと話し込んでいたら、私たちの背後から突然、黒ずくめの男性がヌッと顔を出して、「いや、勢力を広げるということはね、圧力だよ、圧力」と、話に割り込んできたのです。非常に驚き、気味悪く思いました。
そのホームには、背の高いふたつのベンチが背中合わせに置かれていました。黒ずくめの男性は、私たちがいたベンチの反対側から顔を出したのですが、私たちがホームに入ったときは、確かにだれもいなかったのです。
あっけに取られていると、その男性が「そのいなり、ひとつくれよ」というので、つまんで渡しました。そのときに触れた指が、とても冷たかったことを覚えています。彼は「ありがとう」といって、背後のベンチへ引っ込み、その後は多分、向かいのホームから下りの電車に乗ったのだと思います。
MIBの正体は、宇宙人だと私は考えています。宇宙人の中でもグレイ・タイプは、ある程度、自由に姿を変える能力があるようですから。実は、その友人は、黒ずくめのグレイを地元の駅で見かけたと話していましたから、彼についてきたのかもしれません。
ある映画祭に、ゲストとしてお邪魔したときのことです。イベントが終わったあと、旅館でちょっとした宴会を開いたのですが、ふとしたなりゆきで、そこにいらしたスタッフの方たちを霊視することになりました。その中のおひとり、仮にAさんとしますが、彼を霊視すると、にこにこしたおばあさんが見えて、ご自分のお名前をおっしゃるんです。
そのおばあさんの風貌とお名前をAさんに告げると、彼はいきなり机にガン、と頭をぶつけるように突っ伏して、号泣しはじめました。これには私も、私を招いてくれた人も驚いたのですが、彼が涙も乾かない状態で語ってくれたところによると、そのおばあさんは、身内ではないけれど、彼が幼い頃、彼の家で一緒に暮らしていていた人だそうです。彼は非常に可愛がってもらったのですが、いつの間にか、おばあさんはいなくなっていた。彼は小さかったので、詳しい事情は分からないそうです。
でも、彼がいうには、そのおばあちゃんの名前はおろか、存在すらも、友人や知人には一度たりとも話したことがない、と。それなのになぜ、ここで私の口から語られるのだ、というのです。私を招いてくれた人も、「なぜ見えるの?」と、私に聞くことがあるのですが、私にしてみれば、見えるから見える、とお答えするしかありません。
ただ、思うのは、やはり人間は、その身体が霊的な膨大な情報の窓口になっているのだろうということです。きわめて多重、多層で、時間を超越した情報が人間の身体に織り込まれていて、霊視をすると、そうした情報を垣間見ることができるのだと思っています。
【次回の更新は4月1日(火)です】